法科大学院(ロースクール)の入学までの流れ

ロースクール入試の流れを大まかに見ていきましょう。

 ロースクールに入学するためには、まず「適正試験」を受験しなくてはなりません。既修者コースか未修者コースかにかかわらず、コースロースクールに入学を希望する場合、適正試験の成績をロースクールに提出することが義務付けられているからです。適正試験の受験資格者は原則として大学の課程修了者か修了見込者です。

 適正試験には二種類あります。一つは「日弁連法務研究財団適正試験」、もう一つは「大学入試センター適正試験」です。どちらの試験も6月に行われます。受験生はどちらか片方を受けることも出来ますし、双方を受けることも出来ます。大学によって、日弁連法務研究財団適正試験を指定しているところ、大学入試センター適正試験を指定しているところ、どちらでもよいところに分かれますので、自分の志望するロースクールではどちらが求められているのか必ずチェックしておきましょう。勿論、併願校全てについてチェックしておかなくてはなりません。

 適正試験の内容は「日弁連法務研究財団適正試験」と「大学入試センター適正試験」でそれほどの違いはありません。ロースクールで学ぶ前提として必要となる文章読解力や論理性、判断力などを試す問題が出題されます。あくまで、「適正」を試す試験であって、法律知識については出題されません。出題形式はマークシート方式です。 

 この適正試験はとても重要です。大学によっては適正試験の成績で第一次選抜(足切り)を行うからです。適正試験の成績が悪いと、ロースクールの入試を受けることさえ出来ないのです。適正試験が終わったら、予備校の成績診断を受けましょう。成績診断を受けることで 同じ志望校を目指す人たちの中での自分のおおよその順位が分かります。それを目安に、志望校を決めていくことになります。この辺の流れは、大学入試におけるセンター試験の場合とほぼ同じです。

 なお、大学によっては既修者コースの入学選抜資料に「日弁連法務研究財団法学既修者試験」を採用しているところもあります。その場合、「日弁連法務研究財団法学既修者試験」を受験し、ロースクールに成績証明書を提出しなくてはならないので、この試験が必要とされているか、各ロースクールに事前に確認しておきましょう。試験科目は、憲法、民法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法、商法、行政法の7科目です。いずれも基礎的な学力を測る問題が出題されるようです。

 適正試験の成績によって受けるロースクールが決まったら、ローススクールに願書等を提出します。勿論、ここで未修コースに出願するのか、既修コースに出願するのか最終決定をします。出願する書類等はしっかり確認して間違いのないようにしましょう。多くの人は複数の大学に願書を提出して、受験するようです。勿論、同じ日に試験が行われる大学を併願することは出来ませんが、受験日が違うロースクールならいくつでも受けられます。試験は8月から12月に行われますが、概ね私立大学院の入試が先に行われ、国公立の大学院入試は後のほうに行われることが多いようです。

 ロースクールによっては第一次選抜(足切り)を行うところもあります。第一次選抜は適正試験の成績や学部成績、志望理由書(ステートメント)などによって行われます。どのような基準で行われるかは各ロースクールに問い合わせてください。第一次選抜に通過しないと、願書を提出しても受験することは出来ません。

 各ロースクールで行われる入試の内容は各ロースクールによって違いますので、各ロースクールに確認してください。未修コースでは法律科目試験は課されません。小論文試験や面接試験が中心になります。既修コースでは面接、小論文に加えて、法律科目試験が課されます。主なものを簡単に紹介してみます。

 小論文試験はほとんどの大学で課されています。大学院によって出題傾向が違いますから、事前に過去問をチェックしておきましょう。

 面接試験も多くの大学で採用されています。志望理由書(ステートメント)に沿って法曹やロースクールを志す動機等が聞かれるようです。

 書類審査を課しているところもあります。適正試験の成績、学部の成績、志望理由書(ステートメント)等がチェックされる場合があります。

 既修試験では、法律科目試験も課されます。ロースクールによって出題形式や出題科目が異なるので、必ずチェックしておきましょう。こうした段階をクリアすると、晴れて合格してロースクールに入学することになります。

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