法科大学院(ロースクール)の既習者コースと未習者コースについて
法科大学院(ロースクール)には、主に法律学習経験者を対象とした法学既修者コースと主に法律学習未経験者を対象とした法学未修者コースがあります。既修者コースでは実務法律科目を2年間学習し、2年間で修了することが出来ます。未修者コースは1年間基礎法律科目を学んでから2年間の実務法律科目を学びます。従って、未修者コースは修了までに合計3年間掛かります。既修者コースの入試では法律科目の試験がありますが、未修者コースの入試では法律科目の試験がないのが通常です。
気をつけなくてはならないことがあります。未修者というと、法学部以外の出身者のことを指していると思われるかもしれませんが、法学部の卒業生など法律を学んだ経験のある人でも未修者コースを受験することが出来るのです。逆に、法律を勉強したことのない人でも、、既修者コースを受験することも可能です。既修者と未修者の違いは、法律の基礎的知識があり基礎法律科目を学ぶ必要がないのか、法律の基礎的知識がなく基礎法律科目を学ぶ必要があるかの違いなのです。従って、法律学未経験でも、予備校などで法律の勉強をして基礎的法律科目を徹底的に勉強し、法律の基礎知識を身に付ければ、既修者コースに合格し入学することも可能です。
なお、未修者コースが作られた当初の理由は、法律を学んだ経験のない人も含めた幅広い人材を法曹界に呼び込むことにありました。しかし、法律学習経験の有無を問わずに未修者コースを受験できるために、未修コースにおいても法学部出身者が多くを占める結果になったようです。ただ、旧司法試験に比べれば、法学未経験者への門戸が広くなったことは間違いありません。未修者コースの存在によって、法学部以外の人の司法試験合格のチャンスが増えたのは間違いないです。