法科大学院(ロースクール)の選び方
基本的には、自分の実力にあったロースクールを選ぶことになります。将来的にはこのロースクールは医事法に強いとか、このロースクールは知的財産法に強いなどの特色が出てくることもあるでしょう。現在では、そこまでの特色のあるロースクールは出てきていません。ロースクールごとの特色がさほどない以上、大学入試と同様、志望校の決定に最も重要なのは、志望校のレベルだと思います。
新司法試験がまだ行われていない段階では、ロースクールのレベルを図るのものは偏差値しかないですが、新司法試験が行われ、ロースクールごとの合格率が明らかになれば、ロースクール間のレベルのさがより鮮明になっていくでしょう。
なお、ロースクールのレベルと大学のレベルは必ずしも一致しません。なぜかと言うと、ロースクールの受験生が大都市に集中しているからです。従って、一般に、大都市の国公立大学のロースクールのレベルがかなり高くなっています。
ロースクール選択基準の二つ目は、ロースクールの所在地です。親元から通うのか、下宿先から通うのかで志望するロースクールは変わってきます。現在下宿先から東京や大阪の大学に通っている人や、社会人でも仕事を辞めてロースクールに入ろうとしている人は、現在住んでいるところの近くにあるロースクールだけではなく、実家から通えるロースクールを志望することを考えてみてもいいと思います。そのほうが、親に支えてもらえますし、何より、住居費を含めた生活費がかなり浮きます。
学費もポイントです。ロースクールの年間学費は国公立大学でも80万円程度、私立だと100万を超えるのが一般的です。それが、既修者コースでは2年分、未修者コースだと3年分掛かります。学費の安い国公立のほうが人気が高い傾向にあります。奨学金の有無もポイントの一つでしょう。どんな奨学金があり、自分が奨学金を受けられそうかも事前にチェックしておきましょう。
受験科目も志望校選択のポイントになります。既修者コースでは法律科目が出題されますが、ロースクールによって出題される科目が違います。科目の得手不得手も志望校を決める際のポイントです。試験方式もチェックしておきましょう。論文式で行われるところもあれば、マークシート方式で行われるところもあるようです。
複数のロースクールを受験することも出来ます。実際に、複数のロースクールを受験する人がほとんどのようです。志望校だけでなく、ワンランク上のロースクールを狙ったり、滑り止めを受けておくことも大切になります。ロースクールによって受験科目が違ったり、必要となる適正試験の種類が違う場合もあります。併願校を決める時には、第一志望校との日程や科目の相性の良し悪しもポイントになります。
これらのことを参考に、各ロースクールのHPにアクセスしたり、資料を取り寄せたりして、とことん調べましょう。ロースクールについて調べて志望校を決定する作業は、勉強しながらでも出来ますので、慌てずに慎重に志望校を決めましょう。