司法書士はうまみのある資格か?

司法書士の年間平均報酬額は約1400万円(日本司法書士会連合会発表)とされています。勿論、司法書士の資格を取ったからと言って、すぐに活躍できるわけではありません。開業してからの顧客獲得の努力や営業活動が重要であるのは言うまでもありませんが、努力によっては安定して高額の報酬を得ることが出来るのです。

 司法書士へのニーズが常にあり、安定しているのも魅力のひとつです。たとえば、土地などの不動産では登記が第三者対抗要件となっています。簡単に言うと、登記していないと、「ここは自分の土地だ」と主張することが出来なくなってしまうのです。登記がないと、せっかく手に入れた土地を失う可能性が出てきてしまいます。誰に対しても土地を自分のものだと主張するためには、土地の登記をすることが必要なのです。この他、会社を設立する際などにも登記が必要になってきます。登記の申請手続きを報酬を得て業務として行うことが出来るのは、弁護士と司法書士だけです。しかも、登記申請手続きのほとんどを司法書士が行っているのが現状です。土地や建物の登記は売買や贈与、相続のたびに必要になってきます。会社の設立等の登記も頻繁に行われています。しかも、土地の売買、会社設立などは東京や大阪という大都市だけではなく、全国津々浦々で行われていることです。司法書士の業務のひとつである登記業務に対するニーズは、全国どこでも常に一定程度存在するのです。

 近年、司法書士の活躍するフィールドが拡大したことによって、司法書士の魅力は更に増したと言えるでしょう。中でも、司法書士に簡易裁判所での訴訟代理権が認められたことによって、司法書士の魅力は飛躍的に増加したと思います。特に、弁護士の少ない地域においては、簡易裁判所における訴訟の多くが司法書士を代理人として行われることになるかもしれません。今後、簡易裁判所における訴訟代理人としての業務は司法書士の報酬の柱のひとつになると思います。

 訴訟も全国各地で常に存在しているものです。日本が訴訟型社会になっていけば、訴訟代理人のニーズはますます増加していくことでしょう。司法書士に簡易裁判代理権が認められた現在、司法書士が、訴訟代理人としての業務の一端を担うことになります。司法書士は新たな安定した収入源を手に入れたと言えるでしょう。

 司法書士の試験は合格率の低い難関試験のひとつです。しかし、しっかり勉強すれば、1年から2年で合格可能です。司法試験に比べればはるかに容易と言えるでしょう。試験の難易度、合格可能性も加味して比較した場合、業務や収入の魅力で司法書士が弁護士に劣ることはないと思います。

 司法書士は弁護士のようにテレビで見かけることもあまりありませんし、華やかではないかもしれません。しかし、安定した収入を得られる司法書士はかなり魅力的な資格だと思います。

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