司法書士試験の模擬試験・答案練習会(答練)

一部予備校では試験前などに模擬試験や答案練習会が行われます。予備校に通ったり通信講座を受けている人は勿論、独学で学習している人も、本番に備えて模擬試験等を受けておくのが望ましいと思います。

 資格試験の勉強では、知識を頭の中に入れるインプットも重要ですが、知識を答案にして表現するアウトプットも重要です。慣れないうちは知識はあっても、点に結びつかないこともよくあります。これはアウトプットの能力が欠けていることを意味しています。アウトプットの能力は訓練すれば訓練するほど高まりますし、慣れも重要なので、訓練をすることは重要です。その訓練の機会こそ、模擬試験と答案練習会なのです。その機会を逃さず、答案練習会や模擬試験に積極的に参加するようにしましょう。

 アウトプットの能力を高めることは、どの資格試験の分野でも重要ですが、司法書士試験では特に重要になります。司法書士試験では、実務に直結した書式問題が出題されます。書式問題は独特で、普通の勉強をしているだけではうまく対応できない場合があります。書式問題はアウトプットの能力を試される最たるものなのです。慣れていないと知識はあるのに答案にどう書いてよいか分からなかったり、うまくまとめられなかったりします。

 自分はできるから答練や模試は必要ないという人もいるかもしれません。必要ないという人に無理に勧めるつもりはないですが、最低でも、書式問題対策のための答練くらいは受けておいたほうがいいと思います。 なお、答案練習会の中には、クレアールの書式マスター答練など書式問題に特化した答練もあります。

 模擬試験と答案練習会について簡単に説明します。

 模擬試験とは文字通り、本番を模した試験です。本番に近い形で問題を解くことで、アウトプットの能力を高めることができます。本番の雰囲気や問題に慣れることも出来ます。自分の実力を試す場としても有益です。

 答案練習会とは文字通り、答案を練習する講座です。最新問題を解きまくり、解説を聞くことによってアウトプットの能力を高めるとともに、足りない知識を補っていきます。なお、答案練習会は「答練」と略されています。

 アウトプット能力を高めること以外にも、模擬試験を受けるメリットはいくつもあります。

 模擬試験では本試験の予想問題が出題されます。実際に、模擬試験の問題と似た問題が本番で出ることもあります。模擬試験で既に解いている人はかなりの確立で正解するでしょうから、模擬試験を受けている人と模擬試験を受けていない人と差が出来てしまいます。模試によっては成績表や順位、得点分布と合格圏を示したグラフなどが配られますので、自分のレベルを知る機会になります。

本番に慣れるという点でも重要です。司法書士試験は午前2時間、午後3時間の長丁場です。1日に5時間も問題を解き続けなくてはならないのです。慣れていないと1日5時間も休みなしで集中して問題を解き続けるのは体力的にも精神的にも辛いものです。更には、実際に試験を受けることでペース配分などをつかむ事も出来ます。本番に慣れておくためにも、本番と同じ時間同じ形式で行われる本試験直前の模擬試験を受けることはとても重要なのです。

 模擬試験は受けっぱなしではいけません。模擬試験では解説が配られます。解説と問題を照らし合わせてじっくり復習しましょう。復習をしないと模擬試験を受ける意味は半減します。模試で間違えた問題を本番でも間違えたらあまりに悲しすぎますよね。また、模試や答練を何回も受けていくと、いつも間違う分野、自分の苦手な分野が明らかになってきます。これも模試や答練を受けるメリットです。苦手分野を集中的に勉強することによって勉強の効率化をはかりましょう。

 このように、模擬試験や答案練習会にはメリットがいくつもあります。独学だとインプットはともかく、アウトプットの能力は不足しがちになるので、独学で勉強している人も、模擬試験等は受けておいたほうが無難だと思います。

 予備校によって違いますが、模擬試験や答案練習会は、本試験直前は勿論、随時行われています。たとえば、LEC東京リーガルマインドでは、「LEC全国公開模擬試験」などの模試や答練が行われています。早稲田セミナーでは「全国統一公開模試」が行われるほか、いくつかの答練会が行われています。辰巳法律研究所では「司法書士 全国総合模試」などが行われています。クレアールでは、「総合パーフェクト答練」、「ハイレベル総合答練」、「全国公開模擬試験」などが行われています。模擬試験や答案練習会の情報は各予備校や資格学校のHPや書店等においてあるパンフレットで知ることが出来ます。

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