司法書士試験の講座の選び方

まず、何年で合格するか目標を立てましょう。司法書士試験は1年で受かる人もいますし、3年程度掛かる人もいます。勿論、能力、法律を勉強した経験の有無、法律の素養によって、何年で受かるかは個人差があります。が、それ以上に勉強量によって何年で受かるか変わってくるかは影響を受けます。どのような講座をどれだけ受けて勉強するかで、合格までの年数が変わってくるのです。予備校によっては、1年合格コース、20ヶ月合格コース、15ヶ月合格コースなど、合格までの年数を設定した講座を用意しているところもあります。受ける講座を選ぶ時の一つの目安になると思います。

 ただ、短い期間で合格しようとすればするほど、講座の密度も濃くなりますし、ハードな勉強も必要になってきます。仕事をもつ社会人の場合などは特にそうなのですが、無理して講座を受けすぎたりすると息切れを起こしたり、講義についていけなくなったりしまいがちです。講義を受けるペース、予習復習をする時間の確保などを考えて多少のゆとりを持って講座を取るようにしましょう。ちなみに、個人差もありますが、3時間の講義をマスターするためには、予習復習時間は6時間は欲しいところです。講座だけ受けていても、予習復習をしなくては内容が身に付かないので気をつけましょう。

 何年で受かるか目標を決めたら、次に、全科目の講座を受けるのか、一部の科目の受講にとどめるのかを決めましょう。法律を学んだ経験の有無、現在の実力等で決定します。自分の現在の実力を試したい人は、過去問集を購入して説いてみましょう。解けないようでしたら、その科目は受講すべきだと思います。法律学習経験者で、過去問を解いてみて相当の実力があるような人は、その科目は受講する必要がないでしょう。たとえば、憲法や刑法について大学で深く学び、相当の実力がある人がいるとします。この人が憲法や刑法の講義を受けるのは時間とお金の無駄でしょう。憲法や刑法は司法書士試験における主要科目ではないですし、憲法や刑法の講義を受ける時間があるのなら、他の科目を勉強したり、同じ憲法や刑法を勉強するにしても過去問や答案練習会に時間を割いたほうが効果的です。一方、法律を勉強した経験がなかったり、あったとしても真剣に勉強しなかった人は全科目の講座を受けたほうがいいと思います。

 予備校の講座には、全科目の講座が受けられるコースのほか、全科目の講座と答案練習会、模擬試験がパックになっているコースもあります。答案練習会や模擬試験までセットになった講座の場合、予備校によっては70万円以上の費用を覚悟する必要があります。答案練習会や模擬試験までセットになったコースを選ぶか、講義のみのコースを選択し、別途答案練習会や模擬試験に参加するのを選ぶかの選択は難しいです。答案練習会や模擬試験までセットになったコースだと個々に申し込むより安くなります。しかし、勉強の進み具合によっては受ける答練の数が少なくて済むこともありえます。全科目の講義を受講し、必要に応じて答練や模試に申し込むという選択もあります。途中での解約可能かどうかも確認したうえで、慎重に選択しましょう。

 この他、主要4科目(民法、商法、不動産登記法、商業登記法)に絞った講座や、書式問題に備える講座などもありますので、必要に応じて受講するのもいいと思います。苦手科目がある場合には苦手科目を克服するための講座を受けるのもいいと思います。知識を答案に表現する知識を身に付けたり、出題の傾向を知るためには過去問を解きまくることが必要ですが、人によっては自分ひとりで過去問を説き分析するのがうまく出来ないでしょう。その場合には、過去問対策の講座を受ける必要も出てくるかもしれません。自分の実力や足りない部分に応じて、受ける講座を追加するのもいいと思います。

 自分ひとりではどのような講座を選択したらいいか分からない場合は、予備校の窓口に相談したり、ガイダンスに参加してみるのもいいと思います。

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