法科大学院(ロースクール)の既習者コースと未習者コースはどちらがよいか

既修者コースと未修者コースの違いについては既に説明しました。法学部出身者も他学部出身者も、既修者コースを受験することもできますし、未修者コースを受験することも出来ます。つまり、大学の課程を修了した人なら誰であっても、未修者コース既修者コースどちらでも受験することが出来るのです。では、既修者コースと未修者コースのどちらを選んだらよいのでしょうか?

 ロースクールの既修者コースに合格するためには、法律科目を一定レベルに達するまで勉強しなくてはなりません。そのためには費用と時間と労力が掛かります。費用や時間、労力等の理由で、法律科目をしっかりと勉強する余裕がない場合は未修者コースを選びましょう。

 それ以外の人は、法律学習未経験者でも、既修者コースを念頭に入れて勉強すべきだと思います。理由はいくつかあります。まず、多くの大学では既修者コースの定員が未修者コースの定員を上回っています。定員の比較だけで言うと、既修者コースのほうが入りやすいです。更には、既修者コースだと2年で修了できるのに対し、未修者コースだと修了するのに3年かかるので、未修者コースでは授業料も余分に掛かってしまいますし、司法試験を受けるまでに1年余分に掛かってしまいます。従って、基本的には既修者コースを目指して勉強し、本試験までに既修コースに合格できる実力に達していない時は未修者コースに転換し、未修者コースを受験するのがいいのではないでしょうか。

 たとえ、未修者コースに入学することになったとしたとしても、既修者コースを目指して勉強したことは無駄にはなりません。確かに、未修コースの受験には法律の科目の知識は必要ありません。しかし、ロースクールの既修者コース合格のための勉強によって得られた知識は、ロースクールで勉強していく上で必ず役に立ちますし、新司法試験の基礎的知識にもなるからです。将来の司法試験将合格を見据えて体系的な基礎力を身に付けておくためにも、既修者コース用の勉強をしておくことが望ましいのではないでしょうか。

法科大学院(ロースクール)の一覧へ
法律系資格で生きる!のトップページへ