行政書士は、うまみのある資格か?

行政書士は法律系の資格の中ではかなり取りやすい資格だと思います。それは司法試験と比較すると明確になります。司法試験を受けるには、かなりの能力、時間が必要になります。しかも、事実上、司法試験を受けるのには法科大学院(ロースクール)を卒業することが必須の要件となってしまった現在では、ロースクールの入学金や授業料だけで年間100万を超す費用が掛かってしまいます。

 一方、行政書士は能力、時間とも、司法試験や司法書士試験ほど必要ではありません。法律に疎くても、勉強次第では誰でも合格に到達できます。一回の受験で合格することも可能ですし、費用的にも、法律の勉強をゼロからはじめる場合でも20〜30万円くらいで合格することも十分可能です。また、比較的容易に合格できるので、社会人が働きながら勉強して、合格を勝ち取ることも可能です。行政書士試験は仕事に支障なく勉強でき、合格できる資格だと思います。

 一方の司法試験では、現在では社会人が働きながら合格するのはかなり困難になってしまいました。仕事を辞めなくても気軽に挑戦でき、合格可能である点も、行政書士のメリットと言えるでしょう。仕事を辞めてまで試験に挑戦するというのは社会人にとってかなり大きいリスクですから、このメリットは大きいものであると思います。

 このように、行政書士のメリットは誰でも比較的楽に挑戦でき、合格を勝ち取ることが出来る点にあります。確かに、行政書士は弁護士などに比べれば収入が高いわけではないでしょう。行政書士は現在のところ稼いでいる人でも1000万円程度のようです。しかし、掛ける労力、時間、費用、そしてリスクに比較したリターンという意味では、十分うまみのある資格と言ってよいのではないでしょうか。

 ただ、行政書士の場合、資格を取ったら即稼げるというわけでもありません。むしろ資格をとってからのほうが重要です。資格をとることよりも資格をとってからの営業や顧客獲得の努力のほうが大変だと言えるでしょう。逆に言うと、比較的取りやすい資格であり、誰でも資格を取ってから、実力で勝負できる分野だと思います。その割には、現在のところ、それほど競争が激しくなっているわけではなさそうです。

 行政書士は、資格を持てば必ず収入があるというほどうまみがあるわけではありませんが、資格の取りやすさの割には稼げる資格と言えるのではないでしょうか。 

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