司法試験の資格としてのうまみ

司法試験は現在のところ、食べていける資格の代表的なものです。弁護士は資格の中でも最も花形と言えるもののひとつですし、裁判官、検事も公務員として安定していており、しかも高収入です。

 しかし、司法試験を目指すにはそれなりの覚悟が必要です。司法試験に合格するにはかなりの費用、労力、時間が掛かりますし、費用、労力、時間を掛けたからといって受かるとは限らない試験です。むしろ、受かることのほうが少ない試験です。しかも、今後は司法試験合格のためには更に費用がかかることが予想されます。

 2006年から実施される新司法試験からは受験資格が法科大学院の課程を修了者になりました。2年か3年ロースクールに通い、課程を修了した人でないと司法試験を受けることすら出来なくなってしまったのです(暫定的に旧司法試験の枠も残ります)。ロースクールの授業料は決して安くはありませんし、かと言って、予備校が不要になり、ロースクールさえ卒業すれば司法試験に受かるようになったわけでもありません。ロースクールの入学金、2年または3年間の授業料、そして予備校の費用などが掛かります。奨学金などを利用することも可能ですが、かなりの費用を覚悟しておかなくてはなりません。

 とは言え、費用と時間を掛け、労力を費やし、苦しんで努力し合格したならば、それが報われるだけの将来が待っています。弁護士の中には数千万の収入を得ている人もいますし、中には1億円プレーヤーもいます。企業や団体の顧問弁護士などになれば安定した高収入が期待できます。

 弁護士だけではなく、裁判官や検事も、安定した身分保障や公務員としては高い収入を得ることが出来ます。勿論、金銭面だけではなく、仕事としての魅力も大きな職業です。あらゆる意味で、魅力的でおいしい資格であることは間違いないです。

 ただ、今後が不透明なことは否定できません。と言うのも、今後、司法試験合格者や、弁護士の数が増加する傾向にあるからです。平成18年度から実施される新司法試験では最終的には合格者が3000人になるとされています。弁護士余りの時代が到来するかもしれません。 しかし、日本が訴訟型社会になりつつあり、訴訟が増えていることも事実です。社会の変化によっては訴訟が増え続けることも考えられます。

 弁護士の数が増えることによって、稼げない弁護士が出てくることは否定できませんが、弁護士のニーズも増加すると思われるので、弁護士という仕事の魅力が落ちることはないと思います。

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